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一般に裁判では、敗者が訴訟費用を負担することになります。
しかし、特許の無効審決の是非を争う裁判では、その訴訟係属中に当該特許の明細書を訂正すべき旨の審決が確定し、裁判の対象である特許請求の範囲が減縮される場合があります。この場合、無効審決が取り消され、特許権者が裁判の勝者になりますが、かかる勝者に訴訟の総費用を負担させた判決があります(最高裁平成17年(行ヒ)第106号同17年10月18日第三小法廷判決)。
無効審決の取消を求める裁判では、訂正審決の確定は強力な防御手段となりますが、その事実関係によっては、裁判の勝者といえども訴訟の総費用を負担するケースがあります。
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