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明細書の補正は、出願時の明細書に記載された事項の範囲内でしなければならないとされています。そして、当初明細書に実際に記載されていなくても、当初明細書の記載から「自明」な事項は補正が許されるとされています。
例えば、当初明細書には、特定の弾性支持体が記載されることなく、弾性支持体を備えた装置が記載されている場合に、図面の記載及び技術常識からみて、当業者であれば、「弾性支持体」が当然に「つるまきバネ」を意味していると理解する場合は、「弾性支持体」を「つるまきバネ」にする補正が許されます(審査基準)。
「自明」という文言は、国際出願に係る発明の進歩性の判断基準としても使用されており、そこでは「自明」を「容易」と解釈しています。
しかし、明細書の補正の可否判断における「自明」は、「何らの証明を要せず、それ自身ですでに明白なこと」を意味し、その事項について説明を受ければ簡単に分かる、という程度のものでは、自明ということはできないとされています。
この点、勘違いし易いので、明細書の補正を行うときには、留意が必要です。
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